『幻作発禁 濃密文庫 第三巻 【1.むき玉子】』のカバーアート

幻作発禁 濃密文庫 第三巻 【1.むき玉子】

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幻作発禁 濃密文庫 第三巻 【1.むき玉子】

著者: 青木 信光
ナレーター: パンローリング
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このコンテンツについて

百年間の隠蔽の闇から甦るときめきの濃密文学
入魂の作品、リアルな性愛描写は興奮さめやらぬ不思議な性の桃源郷へ聴く者を誘い込んでしまう。
明治・大正・昭和の著名な作家や文人が名を秘して綴り密かに出版され続けた幻の性文学と作者不明の伝説的傑作艶書シリーズ・第三巻!
【1.むき玉子】
君子は今だに独身である。同性愛の相手である常子は要之肋と結婚し、友人の文子は三千雄と結婚していた。
常子や文子の結婚を馬鹿にしていたのも最初の内、さすがに独り者の淋しさは如何ともしがたい。
ある日、三千雄が所用のため君子の家を訪れた。君子が堅気育ちに似ぬ床上手と、文子から寝ものがたりに聞かされていた三千雄は、生来の好きごころを煽られて、いつか機会があればと君子を狙っていた。
君子も君子で、閨淋しさに悶々の折から、男一匹、逃してならじと、悩ましげな目つきで三千雄をのぞきこんだ。君子の五体から発散する強烈な異性の肌の香りが三千雄の官能を悩ましくかき乱した…。
君子とてもまた男性に遠ざかっていたので、その色欲は一層旺盛だった。そして一方、要之肋である。彼は過ぐる年の夏の一夜、鎌倉の山荘で仮初めの契りをかわした文子のことが思いきれず、
文子が三千雄のもとへ嫁いだのちも、人目を避けて文子と忍び逢いを続けていた。
ある日、旅行を口実に恋人の君子の家にしけ込んだ三千雄が留守の間、文子の家で要之肋と文子は灼きただれるような熱烈な情味を充分に味わい尽くしていた。
…その時である。襖がガラリと開いて、一人の男が敷居に立った、それは文子の夫、三千雄であった。
二人は吃驚仰天、あわてて飛び離れてその場に座り直そうとしたが、淫水と汗水まみれの素っ裸といった状態では隠しようがなかった。怒り心根に達した三千雄は体全体をわななき震わせた。©2009 Aoki Shinko (P)2025 Panrolling
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