『幽霊を創出したのは誰か? Who Created the Ghost?』のカバーアート

幽霊を創出したのは誰か? Who Created the Ghost?

(講談社タイガ)

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幽霊を創出したのは誰か? Who Created the Ghost?

著者: 森 博嗣
ナレーター: 福原 安祥
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このコンテンツについて

幽霊が存在するために、死は、必要充分条件か?

触れ合うことも、声を聞くことも、姿を見ることすら出来ない男女の亡霊。許されぬ恋を悲観して心中した二人は、今なお互いを求めて、小高い丘の上にある古い城跡を彷徨っているという。
城壁で言い伝えの幽霊を思わせる男女と遭遇したグアトとロジの元を、幽霊になった男性の弟だという老人が訪ねてきた。彼は、兄・ロベルトが、生存している可能性を探っているというのだが。©森 博嗣 (P)2020 Audible, Inc.
ミステリー
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Wシリーズを読んでいたときは、物語が面白いので、多少の違和感もあまり考えないようにして話の筋を追っていたのですが、このシリーズになってから、主人公の頭の中で展開している物語を仕上げるために人物が配置され出来事が発生、展開する、結論(解?)は主人公の確信(それを裏付ける合理的な理由はあまりない)、という、ちょっと都合良すぎるよね‥という印象が積もり積もって、ここまでで脱落しました。SFでないのはわかりますが、ミステリーというのも違うような気がします。なぜなら、なぜこうなったか、なぜ主人公はこの確信に至ったのか、という点に納得のいく説明がなく「実はこうなのだ」と突如提示されるからです。ただ主人公の構想の披露なのではないかと思ってしまいます。

また主人公が、自分に語りかける、問いかける相手に対してする返答も多くの場合で無礼で、その点も気になりました。相手の言葉を正面から受け止めない(答えになっていない)、まず否定で返す、呼ばれた側の自分がまず言いたいことを先に語る、などです。それも巻を重ねるごとに嫌になってしまった理由です。いつも悪気なく相手を尊重しないのです(相手を尊重する態度がどういうものか知らない設定なのかもしれませんが)。そういう独りよがりな人物像は未来の希薄な人間関係では普通ということなのかな、と思うことでWシリーズは読破しましたが、WWシリーズでは、特に恋人との会話が増えた分、いつも恋人に気遣われケアされる受け身の側、という主人公に精神的な幼さも感じ、彼に都合の良い展開とあいまって気になるようになってしまいました。これも、未来はこのように人の精神も未熟なまま年齢だけを重ねている、という作者の世界観の提示かもしれませんが、そういう主人公の語る哲学や人間観に共感することがだんだん難しくなり、残念ながらシリーズ最後までのあらすじだけを他で確認しておしまいにしました。魅力的な人物や設定もたくさんあったので最後まで堪能したかったのですが、残念です。私は、現代とまるで地続きのようなこの物語の世界で、躊躇、後悔、焦燥、迷い、戸惑い等の情緒的な揺れや葛藤、そこから得られる主人公なりの何ものか、も読み(聞き)たかったです。

主人公が‥

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