超人鬚野博士
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ナレーター:
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テルヤン
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著者:
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夢野 久作
このコンテンツについて
<内容紹介>
髭野博士は実に不思議な男だった。
曰く、彼が日本にいるために英国も、米国も、露西亜も、日本に戦いを挑まない。何故なら髭野博士がどんな最新の武器を内々で取り揃えさせているから。
曰く、海軍で作っている一人乗り魚形水雷ボートが彼の発明である……
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その場に思いがけない仲裁が現れるのだが……
<夢野久作(ゆめの・きゅうさく)>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。
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「どうしたんか」
「アッ。草川の旦那さん」
草川巡査はねむそうな眼をコスリコスリ青年の顔を見直した。
「何だ。一知じゃないかお前は……」
「はい。あの……あの……両親が殺されておりますので……」
「何……殺されている? お前の両親が……」
「はい。今朝、眼が醒めましたら、台所の入口と私の枕元に在る奥の間の中仕切が開け放しになっておりましたから、ビックリして奥の間の様子を見に行ってみますと、お父さんと、お母さんが殺されております。蚊帳(かや)が釣ってありますので、よくわかりませんが
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「ウハハハハ……云う事を聴かねえとコレだぞ」
「致します致します。何でも致します。……すぐに……すぐに船から下して下さい。殺さないで下さい」
「知ってやがったか。ワハハハハハハハ」
昭和二年頃の十月の末だったっけ……
足音高くブリッジに登って行った俺は、船長(おやじ)の背後でワザと足音高く立停まった。
「おはよう……」と声をかけたがは見向きもしない。何しろ船長仲間でも指折の変人だからね。何か一心に考えていたらしい。俺は右手に提げた黄色い、四角い紙包を船長の鼻の先にブラ下げてキリキリと回転さした。
「御註文のチベット紅茶です。やッと探し出したんです」
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「どうしたんか」
「アッ。草川の旦那さん」
草川巡査はねむそうな眼をコスリコスリ青年の顔を見直した。
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「はい。今朝、眼が醒めましたら、台所の入口と私の枕元に在る奥の間の中仕切が開け放しになっておりましたから、ビックリして奥の間の様子を見に行ってみますと、お父さんと、お母さんが殺されております。蚊帳(かや)が釣ってありますので、よくわかりませんが
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かような質問に対して躊躇せずに答え得る人間は、そう余計には居るまいと思う。然るに私はまだヤット二十歳になったばかしの青二才である。だから聖人でも哲学者でもない筈であるが、しかしこの問いに対しては明白に答え得る確信を持っている。
――ホントウの悪魔とは、自分を悪魔と思っていない人間を指して云うのである――自分では夢にも気付かないまんまに、他人の幸福や生命をあらゆる残忍な方法で否定しながら、平気の平左で白昼の大道を濶歩して行くものが、ホントウの悪魔でなければならぬ――
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- 2023/04/11
夢野久作はドグラ・マグラが有名ですが
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夢野久作は、精神病を題材とした作品が有名ですが(と思っています)、個人的にはユーモアとナンセンスで構成される作品も注目されて欲しいと勝手に考えています。この作品はあまり暗い感じがなく、ユーモラスで大胆な主人公が痛快でした。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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