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サマリー
あらすじ・解説
【本日のご質問】
「静脈、筋肉、皮下、皮内の、注射の違いを教えてください。」
この放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!
(匿名でも可能です)
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■AI要約(誤字はご勘弁ください)
内科医たけお先生がラジオ番組で、リスナーからの「静脈注射、皮内注射、皮下注射、筋肉注射の違いは?」という質問に詳しく回答しました。
一般的に「注射」と聞いて多くの人が想像するのは静脈注射です。これは文字通り静脈血管内に直接、薬剤や点滴(輸液)を入れる方法です。薬剤が血液に入り全身に素早く効果を発揮するメリットがありますが、確実に血管を確保する必要があり(静脈路確保)、特に抗がん剤などが血管外に漏れると組織障害など重大な問題を引き起こす可能性があります。多くの抗生物質、血圧を上げる薬やけいれんを抑える緊急時の薬、輸血、CTなどの造影剤も静脈注射で行われます。一時的な投与も、24時間などの持続的な点滴もこの方法が基本です。
次に皮内注射ですが、これは皮膚の非常に浅い部分、表皮と真皮の間に入れる注射です。代表的なのは、結核の診断に使われたツベルクリン反応や、一部のアレルギー検査(皮内テスト)です。注射後は、その部分が水ぶくれのように小さくぷくっと膨らむのが特徴で、これが正確に皮内に入った証拠になります。使用頻度は高くありません。
皮下注射は、皮膚とその下の筋肉の間にある皮下組織(主に脂肪層)に注射する方法です。最大の利点は血管を確保する必要がない点です。糖尿病患者さんが日常的に行うインスリン注射が最も有名で、自己注射指導も行われます。また、在宅緩和ケアなどでは、モルヒネなどの医療用麻薬を持続的に投与する際にもよく用いられます。お腹や太ももなど脂肪の多い場所が選ばれます。
筋肉注射は、文字通り筋肉内に深く注射する方法です。近年、新型コロナウイルスワクチンで多くの人が経験したのがこのタイプです。従来、日本ではワクチンは皮下注射が主流でしたが、筋肉注射の方が効果が高いとされるワクチンもあります(新型コロナワクチンは臨床試験が筋肉注射で行われたため、筋肉注射が採用されました)。また、蜂刺されなどで起こるアナフィラキシーショックに対する緊急治療薬アドレナリン(自己注射キット:エピペン®など)や、静脈確保が難しい場合の特定の抗生物質投与にも用いられます。
たけお先生は、これら以外にも特殊な注射として、脊髄の周りの髄液に直接薬剤を入れる髄腔内注射(髄注。脳転移への抗がん剤治療などで稀に行われる)、関節の空間(関節腔)にヒアルロン酸などを注入する関節内注射(整形外科領域でよく行われる)、そして救急時や小児科領域で静脈確保が極めて困難な場合に、脛の骨などから骨髄に直接輸液を行う骨髄内注射といった方法もあることを紹介しました(先生自身はシミュレーション経験のみ)。
このように、注射には目的に応じて様々な投与経路・方法があることを知っておくと良い、と解説を締めくくりました。