• ボイスドラマ「桜花抄」後編

  • 2025/02/12
  • 再生時間: 10 分
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ボイスドラマ「桜花抄」後編

  • サマリー

  • 前編から時は流れ、あれから10年——。彼女と彼は、結婚し、娘とともに新たな生活を送っています。家族の形、仕事の変化、ライフスタイルの選択。10年前、桜の木の下で交わした約束は、どのように育まれてきたのでしょうか。インテリアを選ぶことは、家族の未来を描くことでもあります。そして、変わりゆく生活の中で、変わらない想いがあることを、二人は改めて知るのです。新しい家、新しい暮らし、そして、家族としての10年目の節目。前編で交わした和歌が、後編ではまた違う意味を持ち、二人をつなぎます。桜の季節に紡がれる、家族の物語【登場人物】・妻(32歳/42歳)・・・一部上場企業の企画・広報部チームリーダー。今年8歳になる娘の母親。最近のライフスタイルはヴィーガン食で家族もそれに倣っている(CV:桑木栄美里)・夫(32歳/42歳)・・・大学院の人工知能科学研究科を修了し、先端ITC企業から請われて入社。AIによる社会貢献を進めている(CV:日比野正裕)・娘(8歳/18歳)・・・小学校3年生/大学1年生。寡黙だが、SDGs意識高い(CV:桑木栄美里)<シーン1/夜桜の公園>(SE〜花見の風景)妻: 「今日(けふ)のためと、思(おも)ひて標(しめ)し、あしひきの、 峰(を)の上(へ)の桜(さくら)、かく咲きにけり」 ◾️BGM/夫: 「それは・・・まだ聞いたことのない歌だ」妻: 「じゃあ、もう一首。 あしひきの、山の際(ま)照らす、桜花(さくらばな)、 この春雨(はるさめ)に、散(ち)りゆかむかも」夫: 「どういう意味?」妻: 「最初の歌は、 今日のために目星をつけておいた桜が咲いてくれた。 2つ目は、 山間を照らすように咲いている桜の花が春の雨で散っちゃうのはやだなあ。 って意味。 桜、きれいだねえ。 桜さん、ありがとう。 雨が降っても散らないでね。 ってことだよ。ねっ」夫: 妻の横で娘が、何も言わずに微笑む。 8歳の娘は、妻の詠む和歌が大好き。 意味もわからず、ニコニコ聞いている。 いや、いつも説明されてるから意味はわかっているのかな。 10年前。 まだ結婚する前に、妻と2人で歩いた桜並木。 世の中がどんどん変わっても毎年、美しい花を咲かせてくれる。妻: 「和歌を詠むと、桜が一層美しく見えるよね」夫: 娘が大きくうなづく。本当にそう思っているのか。 半分疑りながら 娘を真ん中にして、3人で手をつないで歩く。 幸せに包まれる瞬間。妻: 「今日はね、10年前 にパパとママがデートしたところへ行くのよ」夫: デート? そうか、あれはデートだったんだな。 娘がはしゃぎ始めた。妻: 「さあ、桜のトンネルを抜けていくわよ」夫: 妻が娘の手をひく。 私はその手にひっぱられるように、早足で花曇の並木を歩いていった。<シーン2/インテリアショップ>(SE〜インテリアショップの雑踏)娘: 「わぁ〜すごぉい」夫: 初めてきたインテリアショップに驚く娘。 エリアごとに再現された部屋に感動している。 まるでテーマパークにきたみたいに。妻: 「でしょう。 ここはいろんなお部屋がたくさんある、家具のテーマパークなのよ」夫: なるほど。うまい表現だな。 さすが、大学で国文学を専攻してただけある。 っていうより、企画部のチームリーダーだもんな。妻: 「ほら、プリンセスのお部屋も」娘: 「ほんとだ。ピンクがかわいい」夫: はしゃぎまわる娘に目を細める妻。 実は、私の方が妻より嬉しいのだが。 今日の目的は、新生活の家具選び。 とは言っても、10年前のように一人暮らし用ではなく、家族のため。 実は、もうすぐ新しい家が完成するんだ。 そう、新築の新居。 妻のこだわりで、作りつけの収納は、あえて最小限にした。 自分たちで家具を選んで、イメージ作りをしたいらしい。 娘の成長に合わせた節目節目で、イメージチェンジもするのだという。 そういうライフスタイル いいものだなあ。妻: 「ねえ、自分のお部屋はどんな風にしたい?」娘: 「不思議の国みたいなお部屋」妻: 「そうかあ。じゃあこっちの部屋かな」娘: 「あ〜」夫: そこは、キュートでおしゃれなプリンセス系インテリアのお部屋。 シャビーシックなピンクと白を基調にしたアイテム...
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あらすじ・解説

前編から時は流れ、あれから10年——。彼女と彼は、結婚し、娘とともに新たな生活を送っています。家族の形、仕事の変化、ライフスタイルの選択。10年前、桜の木の下で交わした約束は、どのように育まれてきたのでしょうか。インテリアを選ぶことは、家族の未来を描くことでもあります。そして、変わりゆく生活の中で、変わらない想いがあることを、二人は改めて知るのです。新しい家、新しい暮らし、そして、家族としての10年目の節目。前編で交わした和歌が、後編ではまた違う意味を持ち、二人をつなぎます。桜の季節に紡がれる、家族の物語【登場人物】・妻(32歳/42歳)・・・一部上場企業の企画・広報部チームリーダー。今年8歳になる娘の母親。最近のライフスタイルはヴィーガン食で家族もそれに倣っている(CV:桑木栄美里)・夫(32歳/42歳)・・・大学院の人工知能科学研究科を修了し、先端ITC企業から請われて入社。AIによる社会貢献を進めている(CV:日比野正裕)・娘(8歳/18歳)・・・小学校3年生/大学1年生。寡黙だが、SDGs意識高い(CV:桑木栄美里)<シーン1/夜桜の公園>(SE〜花見の風景)妻: 「今日(けふ)のためと、思(おも)ひて標(しめ)し、あしひきの、 峰(を)の上(へ)の桜(さくら)、かく咲きにけり」 ◾️BGM/夫: 「それは・・・まだ聞いたことのない歌だ」妻: 「じゃあ、もう一首。 あしひきの、山の際(ま)照らす、桜花(さくらばな)、 この春雨(はるさめ)に、散(ち)りゆかむかも」夫: 「どういう意味?」妻: 「最初の歌は、 今日のために目星をつけておいた桜が咲いてくれた。 2つ目は、 山間を照らすように咲いている桜の花が春の雨で散っちゃうのはやだなあ。 って意味。 桜、きれいだねえ。 桜さん、ありがとう。 雨が降っても散らないでね。 ってことだよ。ねっ」夫: 妻の横で娘が、何も言わずに微笑む。 8歳の娘は、妻の詠む和歌が大好き。 意味もわからず、ニコニコ聞いている。 いや、いつも説明されてるから意味はわかっているのかな。 10年前。 まだ結婚する前に、妻と2人で歩いた桜並木。 世の中がどんどん変わっても毎年、美しい花を咲かせてくれる。妻: 「和歌を詠むと、桜が一層美しく見えるよね」夫: 娘が大きくうなづく。本当にそう思っているのか。 半分疑りながら 娘を真ん中にして、3人で手をつないで歩く。 幸せに包まれる瞬間。妻: 「今日はね、10年前 にパパとママがデートしたところへ行くのよ」夫: デート? そうか、あれはデートだったんだな。 娘がはしゃぎ始めた。妻: 「さあ、桜のトンネルを抜けていくわよ」夫: 妻が娘の手をひく。 私はその手にひっぱられるように、早足で花曇の並木を歩いていった。<シーン2/インテリアショップ>(SE〜インテリアショップの雑踏)娘: 「わぁ〜すごぉい」夫: 初めてきたインテリアショップに驚く娘。 エリアごとに再現された部屋に感動している。 まるでテーマパークにきたみたいに。妻: 「でしょう。 ここはいろんなお部屋がたくさんある、家具のテーマパークなのよ」夫: なるほど。うまい表現だな。 さすが、大学で国文学を専攻してただけある。 っていうより、企画部のチームリーダーだもんな。妻: 「ほら、プリンセスのお部屋も」娘: 「ほんとだ。ピンクがかわいい」夫: はしゃぎまわる娘に目を細める妻。 実は、私の方が妻より嬉しいのだが。 今日の目的は、新生活の家具選び。 とは言っても、10年前のように一人暮らし用ではなく、家族のため。 実は、もうすぐ新しい家が完成するんだ。 そう、新築の新居。 妻のこだわりで、作りつけの収納は、あえて最小限にした。 自分たちで家具を選んで、イメージ作りをしたいらしい。 娘の成長に合わせた節目節目で、イメージチェンジもするのだという。 そういうライフスタイル いいものだなあ。妻: 「ねえ、自分のお部屋はどんな風にしたい?」娘: 「不思議の国みたいなお部屋」妻: 「そうかあ。じゃあこっちの部屋かな」娘: 「あ〜」夫: そこは、キュートでおしゃれなプリンセス系インテリアのお部屋。 シャビーシックなピンクと白を基調にしたアイテム...

ボイスドラマ「桜花抄」後編に寄せられたリスナーの声

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