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サマリー
あらすじ・解説
序)黙示録の全体像と教会の個性
・黙示録は 7 つのブロックでできている。
・7は聖書的「完全数」と言い、完成、完了、全体、完全を意味する。
・7つのサンプル教会へあてられた手紙(御使いに書き送れ→御使いによって書き送れ)は、すべての教会に当てはまる内容をもっていると同時に、4 章以降の幻(明確に意味のある神様の見せた夢)を理解する背景
1)「偽使徒」を見抜いたエペソ教会~グノーシス主義の脅威~
・「右手に七つの星」…イエス様の力は聖霊によって現され、誰に聖霊が与えられるかを決める権限がイエス様にあること。
・「燭台の間を歩く」…国府である教会を巡回して導き、指導する方
・「使徒」はイエス様から権威を委ねられ、奇跡を行い、聖書ができるまでの間、教会の教えを支えた。
・「偽使徒(反キリスト)」は悪霊によって奇跡を行い、グノーシス主義(物質は悪であり、特別な知識により、霊的な本当の世界に脱出できる)に代表される霊肉二元論を教会に広めることをしていた。
・黙示録では、創造者なる神の礼拝を強調することでこれに対抗する。
2)「ニコライ派」の惑わしから遠ざかっていたエペソ教会
・「ニコライ派」はヨハネが命名し光を当てた問題。そういうグループが実在したのではない。黙示録の中で描かれ徐々に全貌が明らかになる。
・「ニケ Nike(勝利の女神)」の「民(ラオス)」が語源。経済的繁栄を優先し、信仰的に妥協する考え方を是とするグループ。
・黙示録では、この問題が厳しく批判される。獣の刻印「666」も関連。
・エペソ教会は、ニコライ派を忌み嫌っていた正しい教会だった。
3)風前の灯だったエペソ教会
・「初めの愛から離れてしまった」→直訳「あなたの愛、一番のもの、あなたはそれを手放した」
・神への愛と人への愛の追求こそが、教会の生命線である。「正しさ」はその代わりにならない。
・黙示録は、神の国の要(国府)である教会が、相応しいものになることを意図して記されている。そのために健全な教理は大切。二元論にはNo を言わなくてはいけない。「天国」は再臨の「待合室」に過ぎない。
・「正しさ」だけで「愛」を忘れた教会は、無用の長物となる。
結)正しさは高慢に、愛は人を謙虚にする
・愛せない自分に直面するからこそ、神を求め、教会を必要とする。