エピソード

  • 薄田泣菫 「桜の花」
    2025/03/13

     桜になに想う。薄田泣菫は明治詩壇で一時代を創り、「望郷の歌」「公孫樹下に立ちて」「ああ大和にしあらましかば」といった作品は、当時の人々に愛唱されました。韻律を心地よく操る詩人であったうえに、博識で和漢洋に広く通じ、話術も巧みだったという泣菫の随筆です。

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    7 分
  • 山本周五郎 「武道無門」
    2025/03/08

     世の中には、どうにも自分に向かないことがあるものです。それでもやらねばいけない時がないとはいえません。武士の時代、侍の誰もが武芸を得意としたとは限りません。それでも支障のないお役目につければやり過ごすことはできますが、いざ武の力を問われることになったとき、どうすればよいのでしょうか? そんな侍の話です。

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    49 分
  • 島崎藤村 「朝飯」
    2025/02/28

     旅の途中で、尾羽打ち枯らした若者が玄関に現れて、空腹を訴えて救けを求めます。家主は援助と、自らの経験に基づく助言を与えます。助けられる者と助ける者、反対の立場に立つ2人の行動から人間の本質が見えてきます。

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    13 分
  • 小川未明 「美しく生まれたばかりに」
    2025/02/20

     自分にないものを持って生まれているのを見れば、誰しもうらやましく思うものです。しかし持って生まれたばかりに、思いもかけぬ運命に導かれてしまうこともあるようです。美しい声で鳴くこまどりは、その可憐さゆえに大切なものを失ってしまいます。

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    21 分
  • 太宰治 「葉」
    2025/02/16

     さまざまな話が木の葉のように重なり合うなかで、太宰らしい言の葉が横溢している不思議で魅力的な短編です。ワードセンスに優れた太宰の代名詞ともいえるフレーズからはじまります。

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    40 分
  • 亀井勝一郎 「家族といふもの」
    2025/02/12

     亀井勝一郎は文芸評論や「大和古寺風物誌」などの文明批評で有名ですが、人生論や恋愛論のベストセラーも次々に生み出しました。戦後を迎えてもなお、日本には家族が絶対的な支配権を持つ家父長制の価値観が色濃く残っていました。それは近代的な自我を持った個人とは相いれない部分も多く、家族観に惑う時代にその在り方を見つめなおした一編です。

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    11 分
  • 太宰治 「あさましきもの」
    2025/02/09

     自らが不道徳や間違いを行ったにも拘らず、それを正しく罰せられることなくまぬがれたあとに、人にはどのような感情が沸き上がるのでしょうか。社会的に認められた人物であるほど、その感情は心の底に澱のように溜まっていくようです。

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    9 分
  • 芥川龍之介 「ひょっとこ」
    2025/02/09

     ひょっとこの表情はかまどの火を吹いている男の顔を題材にしているとも言われ、火吹き男が語源とも言われます。舞楽に登場すると、間抜けで助平でどこかとぼけた味があり、滑稽なキャラクターで周囲を明るくします。心に屈託を抱えながらも、人前ではそれを見せまいと、ひょっとこを演じて生きた男の話です。

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    22 分