• 024.無期雇用契約への転換?!

  • 2022/07/19
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024.無期雇用契約への転換?!

  • サマリー

  • Q: 店長です。インターネットを見ていたときに「無期転換」というキーワードが気になったので調べてみたら、アルバイトの契約がちょっと変わるかもしれない、ということですよね…これについて聞かれたら、どう答えればいいでしょうか? A: 皆さんの店舗で最も長く働いているスタッフは何年でしょうか。そして、その方の雇用契約は、正社員でしょうか?アルバイトでしょうか? 「有期契約労働者」、つまりアルバイトやパート、契約社員など、呼び方はさまざまですが、1年や半年など、期間の定めがある雇用契約に基づいて働く人を総称してこう呼びます。コンビニエンスストアではたくさんのスタッフが働いていますが、そのほとんどが有期契約労働者となります。 これらの方の「無期雇用転換ルール」という制度が少しずつ、本格的に始まっているのです…。 こんくり株式会社 https://con-cre.co.jp/ MANA-formation https://community.camp-fire.jp/projects/view/409762   少しだけ、法律の話をします。平成25年4月1日に、労働契約法という法律が改正され、今回の無期転換ルールができました。この日以降に一定の条件を満たしたスタッフには「無期転換申込」の権利が得られ、その後「無期転換したい」と言って来た場合には、期間の定めのない雇用契約を結び直さなければなりません。 この狙いは、「長く働いてくれているスタッフの安定した雇用/勤務の実現」。スタッフ側からすると、1年間や半年で契約が終わってしまうかもしれない…という不安から解消され、店舗にとっては、安定的に戦力として活躍してくれるスタッフがいる安心感も得られますよ、というものです。 皆さんの店舗では、もしかしたらすでに無期転換と同じような状況にあるスタッフもいるかもしれません。それはもちろんいいことでもありますが、逆に、雇用契約がなあなあになってしまっているところは要注意です。中には、最初だけ1年とか半年の契約を結んで、その後契約更新をすべきところまったくなされていない店舗も見かけますが、これは、実質無期雇用契約と同じ状態とみなされることもあります。その状態で何かスタッフとトラブルになって「うちは1年契約だから、もう今回で更新はしない!」と言っても、その契約は何の効力も持たなくなってしまうでしょう。 【無期雇用転換ルールの3要件】 では、この無期雇用転換ルールの条件を見ていきます。次の要件をすべて満たしたスタッフは「無期転換申込」の権利が得られることになります。 ① 有期雇用契約の通算期間が5年を超えている まず定義をお話しすると、「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超えていること」が要件となります。例えば、多くの店舗では雇用契約を1年間で結んでいるかと思いますが、その場合は、5回の契約更新が終わったタイミングと同時に、「無期転換申込権」が発生することになります。 もし、1年を超える場合、例えば3年間の雇用契約を結んだ場合には、次も3年で更新をした際通算6年となるので、4年目で「無期転換申込権」が発生することになります。 ② 契約の更新回数が1回以上 平成25年以降で雇用の更新が1回以上行われているかどうか、ということです。これは、比較的わかりやすいかと思います。コンビニエンスストアスタッフの契約については、最高でも3年と法律で決められています。契約の通算期間が5年を超えるという①の条件を踏まえたときに、3年ごとの契約であれば、更新回数は一番少なくて1回になる、というのがその理由です。契約が1年の場合は、5回契約を更新していることになります。 ③ 現時点で同一の雇用主との間で契約している これが最後の条件ですが、通算5年を超えて契約をしてきた使用者(店舗)との間で、現在も雇用契約を結んでおり、かつそれが当然ながら有期雇用契約である、というものです。 以上、この3つが揃っているスタッフから「無期雇用契約に転換したい」と言われたら、5年を超えた次の契約更新の段階で無期雇用契約へ転換をしなければなりません。 【無期雇用契約に転換すると何が変...
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あらすじ・解説

Q: 店長です。インターネットを見ていたときに「無期転換」というキーワードが気になったので調べてみたら、アルバイトの契約がちょっと変わるかもしれない、ということですよね…これについて聞かれたら、どう答えればいいでしょうか? A: 皆さんの店舗で最も長く働いているスタッフは何年でしょうか。そして、その方の雇用契約は、正社員でしょうか?アルバイトでしょうか? 「有期契約労働者」、つまりアルバイトやパート、契約社員など、呼び方はさまざまですが、1年や半年など、期間の定めがある雇用契約に基づいて働く人を総称してこう呼びます。コンビニエンスストアではたくさんのスタッフが働いていますが、そのほとんどが有期契約労働者となります。 これらの方の「無期雇用転換ルール」という制度が少しずつ、本格的に始まっているのです…。 こんくり株式会社 https://con-cre.co.jp/ MANA-formation https://community.camp-fire.jp/projects/view/409762   少しだけ、法律の話をします。平成25年4月1日に、労働契約法という法律が改正され、今回の無期転換ルールができました。この日以降に一定の条件を満たしたスタッフには「無期転換申込」の権利が得られ、その後「無期転換したい」と言って来た場合には、期間の定めのない雇用契約を結び直さなければなりません。 この狙いは、「長く働いてくれているスタッフの安定した雇用/勤務の実現」。スタッフ側からすると、1年間や半年で契約が終わってしまうかもしれない…という不安から解消され、店舗にとっては、安定的に戦力として活躍してくれるスタッフがいる安心感も得られますよ、というものです。 皆さんの店舗では、もしかしたらすでに無期転換と同じような状況にあるスタッフもいるかもしれません。それはもちろんいいことでもありますが、逆に、雇用契約がなあなあになってしまっているところは要注意です。中には、最初だけ1年とか半年の契約を結んで、その後契約更新をすべきところまったくなされていない店舗も見かけますが、これは、実質無期雇用契約と同じ状態とみなされることもあります。その状態で何かスタッフとトラブルになって「うちは1年契約だから、もう今回で更新はしない!」と言っても、その契約は何の効力も持たなくなってしまうでしょう。 【無期雇用転換ルールの3要件】 では、この無期雇用転換ルールの条件を見ていきます。次の要件をすべて満たしたスタッフは「無期転換申込」の権利が得られることになります。 ① 有期雇用契約の通算期間が5年を超えている まず定義をお話しすると、「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超えていること」が要件となります。例えば、多くの店舗では雇用契約を1年間で結んでいるかと思いますが、その場合は、5回の契約更新が終わったタイミングと同時に、「無期転換申込権」が発生することになります。 もし、1年を超える場合、例えば3年間の雇用契約を結んだ場合には、次も3年で更新をした際通算6年となるので、4年目で「無期転換申込権」が発生することになります。 ② 契約の更新回数が1回以上 平成25年以降で雇用の更新が1回以上行われているかどうか、ということです。これは、比較的わかりやすいかと思います。コンビニエンスストアスタッフの契約については、最高でも3年と法律で決められています。契約の通算期間が5年を超えるという①の条件を踏まえたときに、3年ごとの契約であれば、更新回数は一番少なくて1回になる、というのがその理由です。契約が1年の場合は、5回契約を更新していることになります。 ③ 現時点で同一の雇用主との間で契約している これが最後の条件ですが、通算5年を超えて契約をしてきた使用者(店舗)との間で、現在も雇用契約を結んでおり、かつそれが当然ながら有期雇用契約である、というものです。 以上、この3つが揃っているスタッフから「無期雇用契約に転換したい」と言われたら、5年を超えた次の契約更新の段階で無期雇用契約へ転換をしなければなりません。 【無期雇用契約に転換すると何が変...

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