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サマリー
あらすじ・解説
【9段目】は雪が降る京都山科の大星由良之助の閑居(かんきょ)が舞台です。そこへ桃井家(もものいけ)の家老で加古川本蔵(かこがわほんぞう)の女房、戸無瀬(となせ)と娘の小浪(こなみ)が訪ねてきます。小浪は由良之助の息子の力弥(りきや)と許嫁の仲だったので、祝言をあげさせようとやって来たのでした。しかし、由良之助の女房のお石(いし)は固辞します。そこへ虚無僧姿となった本蔵が現れ、主君の仇を討たずに遊興にふけっている夫の由良之助を嘲り、お石を挑発します。お石は槍で本蔵を討とうとするところへ力弥が加勢に現れます。すると、本蔵はわざと自らの腹に槍を突き立て力弥に討たれるのでした。実は、本蔵は主君の桃井若狭之助(もものいわかさのすけ)から師直を斬りつけようと打ち明けられていたので、事件を回避しようと賄賂を贈ったところ標的が変わり、いやがらせの対象が塩冶判官になった上、自身のとった行動が塩冶家の仇(あだ)となってしまった事を後悔していたのでした。自分の首を差し出し娘と力弥を添わせてほしいと願い出ます。そして、師直の屋敷の図面を引き出物にと小浪に託すのでした。絵図面を手にした由良之助は、仇討ちの用意の為に堺へと旅立っていくのでした。屈指の大作と言われる「山科閑居の場」をご紹介致します。
【10段目】仇討ちを直前に控えた赤穂浪士達は、武具を調達しようとしています。堺で廻船問屋を営む天川屋義平(あまかわやぎへい)は由良之助の頼みによって、塩冶家からの恩を思い、情報が漏れぬ様に女房・息子の命も惜しまず義理を立てます。義平の義俠心が描かれる一幕をご紹介致します。
【11段目】由良之助をはじめとする47士は艱難辛苦を乗り越え、師直の屋敷に討ち入ります。そして、遂に師直を討ち取るのでした。塩冶浪士の討入は、大団円を迎えます。