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サマリー
あらすじ・解説
序1)「声を見る」ということ
・12 節「声を見る(ブレポー)」は「声に気づく」という意味と「声(幻全体)を悟る」という 2 つの意味がある。
・ヨハネの黙示録は、見た(ホラオー)ままに書いたのではなく「わかる(ブレポー)」ように緻密な構成を練って書かれている。
序2)「人の子のような方」の幻とともに
・12 節~20 節の中に、ダニエル書、イザヤ書、エゼキエル書、福音書の引用がある。イメージ表現を通して伝えたいことを読み取る。
・「人の子のような方」の姿は、イエス様のご性質を表し、七つの教会への手紙の中にちりばめられる。「一人のキリストから、七つの教会へ」
・「星」と「燭台」がキリストとは別の象徴である。20 節に説明があるのでわかりやすいと思うが、どちらも黙示録が書かれた時点で、別のことを象徴するものだった。解釈には象徴の継承と刷新という視点が必要。
1)「燭台」~イメージの継承~
・モーセが指示した幕屋からエルサレムの神殿まで、聖所の灯りとして用いられた「燭台」はユダヤ教会堂の象徴だった。
・教会が、イスラエルと同じ使命を共有しているということを示す。
・クリスチャンになったユダヤ人にキリストに留まることを伝える意図がある。迫害の中で、ユダヤ教に戻ろうという誘惑があったが、これは「イエスは救い主ではない」と告白する「赦されない罪」となる。
・教会は燭台のイメージを継承しているが、現代のユダヤ教が燭台ではないとまで言うのは言い過ぎになる。やがて二つのものは一つになるが、無理やりそれをするなら迫害(反ユダヤ主義的キリスト教)になるので注意。
2)「七つの星」~イメージの刷新
・イスラエルの周辺、教会の周辺では「星」は神々の象徴であり、神々の化身と信じられた権力者の象徴だった。
・「七つの星」はプレイアデス(昴座)を指し、七人姉妹でイメージされ、海を渡る道しるべとなるものだった。
・黙示録はこのイメージ素材を利用するが、書き換える。神々→御使い
・神は唯一だが、神以外にも人間の力の及ばない霊的力が存在することは聖書も認めている。
・星々が、皇帝の手に握られている→イエス様の手に握られている。
・「教会の御使い(=遣わされる者)」は聖霊であることが 2 章でわかる。
結)私たちのイメージ世界も刷新が必要
・無意識に潜むイメージを書き換えることに取り組み、真の世の光に!