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古生物出現!

空想トラベルガイド

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古生物出現!

著者: 土屋 健
ナレーター: 野口 晃
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ナウマンゾウと散歩、潜水艇でアンモナイト見物、スピノサウルスとお食事タイム!

もしもマンモスや恐竜が現代の日本の街をのし歩き、翼竜が空を飛んでいたら? 架空の旅のガイドブックを通して、全国から化石の発見が相次ぐ古生物天国・ニッポンの魅力を味わい尽くす。あなたもさっそく本書を手に取って、古生物と触れ合う旅に出てみよう!

©2023 Ken Tsuchiya (P)2023 Hayakawa Publishing Inc.
古生物学

古生物出現!に寄せられたリスナーの声

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異世界を旅した気分になれる良書

「太古の生物が出現するようになった現代日本」というif設定で、各地の博物館や古生物を観察できる名所、名物など古生物を楽しめるスポットを紹介するという体の、一風変わった入門書。

最初は驚いたけれど、設定を飲み込めれば異世界を旅した気分になれてSF心をくすぐられるし、実際の研究の成果を踏まえて書かれているので勉強になった。
ナレーションも聞きやすく親しみやすい語り口でストレスなく、とても楽しい読書になりました。

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本当に「トラベル」ガイドだった

著書のものとして、古生物を年代順に紹介する辞書的著書はいくつか所有しているが、別の観点からの書には手を出さずにいた。そんな中Audibleに含まれたので聴いてみたら、観光資源として、食材として活用されている古生物との出会いがあった。にしても食レポにチカラ入れすぎ。

本書は古生物が突然出現するようになり、人間社会と共存するようになったifの世界を紹介する第一部と現実世界に立ち返り、古生物を学術的に紹介する第二部とで構成される。

どういった設定で古生物が出現するようになったのかは本文を聴いていただくとして、出現場所は北海道から南紀にまで及ぶ。
なんか観光地にばかり出現するなぁと思っていたら、どうやら化石発掘地域の博物館と連携して、出現できそうな(あるいは問題なさそうな)場所を選んでいるらしい。
著書らしい堅実な仕事っぷりだ。

また、トラベルガイドであるために目的地までの交通案内、虚実とり混ぜた施設の紹介、古生物を用いた名物料理など、記述は微に入り細を穿つ。特に食レポはつい笑ってしまうほど丁寧だ。普段から古生物の食べ方を夢想しているのだろうか。

第二部では古生物の学名や化石の発掘状況。2022年時点での最新情報が紹介される。第一部で語られた「虚」の部分に対するフォローも怠りない。

日本全体でこんなに化石が発掘、研究されていることを認識できたことは自分にとってものすごい収穫だった。
一方で紹介されている化石が「地味」だという感想を持ったのも事実だ。例えば昔の松ぼっくりの化石だ、と言われても「はぁ」としか返事できないし、ましてや昔の「G」の化石だと言われたら多分「ひぃー」と言って逃げ出してしまう。年代や貴重性を教えられても「ふーん」と答えるのが精々だが本書のような紹介をしていただければ「へぇー」と感心することができる。

ましてや読了後に紹介されている博物館に出かけ、実際の化石を目にすれば「ほぉー」と感動することができる。

このように古生物の日本での楽しみ方を教えてもらえる良書だった。

ただ一つ注文をつけるとしたら、第一部と第二部に分けるのではなく、「こちら」と「あちら」を交互に紹介していただきたかった。
第一部が少々単調なため、途中で飽きてしまうのだ。

ナレーションについても問題はない。なんかテンポのいい語り口だと喜んで聴いていたらこちらの設定ミスで1.2倍速で聴いていたことがあとで判明した。
もし語りのテンポが遅い、と感じられたら1.2倍速をお勧めする。細かい単語まできちんと聴き取れるのでとても快適だ。

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

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